私英語苦手だから読み聞かせにCD音源使おうと思っているの。
親の読み聞かせの方が効果的です!
おうち英語を実践している家庭では、英語絵本の時間を取り入れている方も多いと思います。
親の読み聞かせは子どもの語彙発達や読解力の向上などメリットたっぷりですが、
CD音源を使用して綺麗なネイティブの発音を聞かせた方がよいのでは?
と考える方もいると思います。
しかし!
親が直接絵本を読み聞かせる場合とCD音源を使用する場合では、明らかな効果の違いがあります。
本記事では、読み聞かせに関する研究をもとに、その違いについて詳しく説明します。
最後まで読むとその効果の違いに驚きますよ!
目次
親の読み聞かせ VS CD音源
第二言語習得においては、親の読み聞かせとCD音源を使用した場合どのような違いがあるのでしょうか?
ここでは、親の読み聞かせとCD音源の研究結果をもとにその効果を比較してみましょう。
ケンブリッジ大学の研究
親が第二言語で読み聞かせを行った子どもは、CD音源を使った場合に比べて約1.4倍の効果で語彙が増加しました。
具体的には、親の読み聞かせを受けた子どもは1か月あたり平均で約8語の新しい単語を習得したのに対し、CD音源を使用した場合は約6語の習得でした。
研究出典:Cambridge University: Research on vocabulary development through parent read-aloud and CD audio in second language acquisition.
トロント大学の研究
親の読み聞かせが子どもの読解力の向上において約1.7倍の効果があることが示されています。
読解テストのスコアにおいて、親の読み聞かせを受けた子どもは平均で15%の向上を示したのに対し、CD音源を使用した子どもは平均で9%の向上でした。
研究出典:University of Toronto: Research comparing the impact of parent read-aloud and CD audio on reading comprehension in second language acquisition.
シカゴ大学の研究
親が読み聞かせを行った子どもの感情的なつながりのスコアが、CD音源を使用した場合に比べて約1.5倍高いことが示されています。
親子の絆を測定するアンケートの結果、親の読み聞かせを受けた子どもは平均で70点を獲得したのに対し、CD音源を使用した子どもは平均で47点でした。
※「感情的なつながり」とは、親と子どもが読み聞かせを通じてどれだけお互いに強く結びついているかを指します。具体的には、親と子どもが読み聞かせの時間を通じてどれだけ共感し合い、一緒に楽しんでいるか、またどれだけ親密に感じているかです。この研究ではアンケートと質問票、専門家の観察、行動チェックリスト、親子のインタビュー、フォーカスグループより、このスコアを算出しています。
研究出典:University of Chicago: Research on the emotional connection between parents and children through read-aloud and CD audio in second language acquisition.
驚き!親の読み聞かせ効果まとめ
この結果から、
親の声による読み聞かせが、CD音源よりも子どもの語彙発達や読解力の向上に効果的だということがわかります。
親の英語力 VS CD音源
親が英語苦手な場合はどうなのかな?
自分の英語で大丈夫なの?と不安に思うこともありますよね?
でも、親が自分の英語(読む技術)に自信がなくても、親の声で読み聞かせることには様々な効果があることは研究でわかっています。
具体的な効果を見ていきましょう。
オハイオ州立大学の研究
オハイオ州立大学の研究では、親の読み方の技術と感情的つながりの強さを比較しました。
結論として、親が読み聞かせをすることで子供との感情的なつながりが深まることがわかっています。
読み方の技術や流暢さは重要ではなく、むしろ親の声の温かさや対話の機会が親子の絆が深まる要素となります。
研究出典:Ohio State University: Research comparing parents' reading skills and emotional connection strength.
ハーバード大学教育大学院の研究
親の読み聞かせの上手さと子供の学習効果の関係を調査しました。
読み聞かせの上手さ(発音や表現力)は学習効果に影響を与えますが、それ以上に親子のインタラクションや親の声による安心感が重要であることがわかりました。
具体的には、親が読み聞かせを行った場合、子供の語彙発達は1.3倍、感情的なつながりは1.5倍向上しました。
親が読み方に不安を感じている場合でも同様の傾向が見られました。
研究出典:Harvard Graduate School of Education: Research on the relationship between parents' reading skills and children's learning outcomes.
スタンフォード大学の研究
この研究では、親が読み聞かせをしながら質問をしたり、子供の反応に応じて会話を進めることで、子供の理解力が向上することが示されています。
これも親の読み方の技術よりも、対話の質が重要であることがわかっています。
研究出典:Stanford University: Research on the impact of parent-child interactions during read-aloud on children's comprehension.
結果:親の読み聞かせが圧勝!
親の声で読み聞かせることが大切
研究結果からもわかるように、英語に自信がなくても心配いりません。
子どもたちは、ママパパの声を聞くだけでリラックスすることができます。
正しく読めるかどうかより、子供と一緒に楽しい絵本時間を過ごすことのほうが大切です。
読み聞かせを親子で楽しむアイディアについてはこちらの記事に詳しく記載しています。▼▼▼
ハイブリッドアプローチがおすすめ
ここまで親の読み聞かせの効果について取り上げてきましたが、
研究では、CD音源を使った読み聞かせにも一定の効果があることもわかっています。
CD音源は特に発音やリズム感の学習に役立つそうです。
ただし、親子のコミュニケーションが少なくなるという弱点もあります。
そこで注目したいのが、親の読み聞かせとCD音源を組み合わせた
『ハイブリッドアプローチ』です。
両方の利点を活かすことで、より効果的な読み聞かせが可能になります。
研究出典:Wisconsin University: Research on the impact of CD audio materials on pronunciation and rhythm learning.
ハイブリッドアプローチのメリット
ペンシルベニア州立大学の研究では、
親の読み聞かせとCD音源を組み合わせたアプローチの効果が調査されました。
親が読み聞かせをし、補助的にCD音源を使用することで、子どもは発音やリズム感を学びつつ、
親との感情的なつながりも維持できるため、バランスの取れた学習が可能になります。
アプローチ1:補助的にCD音源を再生する
研究の中で提案されている具体的な方法です。
この方法を実践することで、親が発音に自信がなくても、CD音源で補うことができ、子どもはバランスよく英語を学ぶことがでると提案されています。
研究出典:Pennsylvania State University: Research on the hybrid approach of combining parent read-aloud and CD audio for balanced language learning.
アプローチ2:かけ流しに利用する
私は、絵本のCD音源をかけ流しに利用する方法をおすすめします。
このアプローチは多感覚学習(multisensory learning)として知られています。
親と読む絵本をCD音源という別の形で聞くことで複数の感覚を使用するため、子供の記憶力や理解力が向上します。
出典:Educational Psychology Interactive: Multisensory Learning
効果的なかけ流し方法についてはこちらの記事に詳しく記載しています。▼▼▼
まとめ:親の『声』は最強!
今回は、親による英語絵本の読み聞かせとCD音源の効果を比較し、その重要性について探ってきました。
読み聞かせの時間は、親子の大切なコミュニケーションの時間なんです。
完璧に読もうとするよりも、読み聞かせ時間を一緒に楽しむことを心がけてみて下さい。